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2026年07月14日
防災・減災

【わりとなんでも相談室 vol.2】オフィスの防災備蓄、何から揃える?防災士が広島の会社さんに本気でおすすめする優先順位

【わりとなんでも相談室 vol.2】オフィスの防災備蓄、何から揃える?防災士が広島の会社さんに本気でおすすめする優先順位

こんにちは、フジビジネス広島です。

現場でよくいただくご質問にお答えする「わりとなんでも相談室」、第2回のテーマはオフィスの防災備蓄です。

「備蓄、やらなきゃとは思ってるんだけど…」——営業でお伺いする広島の会社さんから、本当によく聞く言葉です。今日は防災士の資格を持つスタッフが、「広島で何が起こると想定されているのか」から「最低限これだけは」の優先順位まで、まとめてお話しします。


まず知っておきたい:広島では、どんな地震が想定されている?

「広島は災害が少ないから」——そう思っていませんか?実は広島市では、将来発生するおそれのある地震として6つの地震が想定されています。南海トラフ巨大地震、安芸灘〜伊予灘〜豊後水道の地震、そして五日市断層・己斐断層など市内やその周辺の活断層による地震です。

さらに広島県は2025年10月、地震被害想定を12年ぶりに見直しました。それによると、南海トラフ巨大地震(M9.0)が起きた場合、県内では最大震度6強の揺れが想定されています。震度7クラスは想定されていないものの、震度6強は「立っていられない」レベルの揺れです。

そして広島市の場合、特に注意したいのが液状化です。市街地の多くが川の三角州と埋め立て地の上にあるため、県の想定では建物全壊約9万棟のうち、実に半分の約4万5千棟が液状化によるものとされています。津波(最大4m)ももちろん警戒が必要ですが、「揺れ+液状化」で水道・下水道などのインフラが傷むこと——これがオフィス防災を考えるうえでの出発点になります。

で、みんな備蓄してるの?という現実

防災意識が高いといわれる東京ですら、3日分以上の水・食料を備蓄している企業は約半数という調査結果があります。裏を返せば、半数は不十分ということ。

広島はどうか。全国調査でBCP(事業継続計画)の策定意向が高い県として名前が挙がるのは高知・富山・静岡など。広島は上位に入ってきません。営業で市内の会社さんを回っている肌感覚でも、備蓄が十分な会社さんは、正直少数派です。「いざとなれば行政が何とかしてくれる」という安心感もあるのかもしれませんが、発災直後の1〜3日、会社で過ごすことになる社員を守るのは、やはり会社の備えです。

そもそもオフィス備蓄は「誰のため」のもの?

備蓄リストの前に、大事な考え方をひとつ。オフィスの備蓄は、基本的に「災害時に自宅へ帰れない人」のためのものです。

ただし順番があります。大地震の直後は、帰れそうな人もいったん待機——これが東日本大震災の教訓から生まれた「一斉帰宅の抑制」という原則です。全員が一斉に帰り始めると道路や駅が人であふれ、救助や消火活動の妨げになり、余震や火災に巻き込まれる二次災害のリスクも高まります。

そのうえで、道路や交通の安全が確認できた人から順次帰宅し、家で対応してもらう。会社に残るのは、帰りたくても帰れない人。オフィス備蓄は、この「残る人」の1〜3日を支えるためのもの——そう整理すると、必要な量も見えやすくなります。

広島の弱点:「大きな物流拠点が、実は近くにない」

もうひとつ、広島に住む私たちが知っておきたい話を。

広島は人口約120万人の政令指定都市ですが、実は大手通販・物流企業の大型物流拠点は、関西(大阪)と九州(福岡)に置かれることが多く、広島周辺には意外と少ないのです。普段は大阪からも福岡からも商品が届く便利な「中間地点」。しかし裏を返せば、災害時に両方向からの物流が止まれば、どちらの拠点からもモノが入ってこないということでもあります。

これは絵空事ではありません。2018年の西日本豪雨では、土砂災害により山陽道や鉄道が寸断され、広島の物流は実際に大きな影響を受けました。南海トラフ巨大地震のような広域災害では、関西・九州の拠点側も同時に被災し、物流が長期間細る可能性があります。

だからこそ、備蓄の考え方はこうなります。

  • オフィス:帰れない人のための3日分を基本に
  • 各自の家庭:南海トラフを見据えて1週間分以上

「1週間分の家庭備蓄」は当社が大げさに言っているのではなく、国(内閣府)の南海トラフ地震対策でも推奨されている水準です。会社の防災研修などで、社員のみなさんの「家庭の備え」を後押しすることも、立派なオフィス防災のひとつだと考えています。

優先順位1位は、水でも食料でもなく「携帯トイレ」です

意外に思われるかもしれませんが、防災士として最優先でおすすめしたいのは携帯トイレです。

先ほどお話ししたとおり、広島市街地は液状化のリスクを抱えています。下水道は1カ所壊れるだけで、その系統のトイレが使えなくなる可能性があります。ビルの水洗トイレは、断水か下水管の損傷、どちらか一方でアウトです。

水や食料は多少の我慢がききますが、トイレは我慢できません。特に女性にとっては切実な問題です。目安は1人1日5回。最低でも1人あたり5〜10回分、できれば3日分(15回分)を備えておくと安心です。デスクの引き出しに入るサイズなので、保管場所にも困りません。

水と食料は「3日分」が基本。でも置き場所が…という方へ

飲料水と食料は、基本どおり1人3日分(水は1人1日3リットルが目安)を備えたいところです。

ただ、都市部のオフィスの悩みは「置き場所がない」こと。これは本当によくわかります。そこでおすすめなのが分散備蓄という考え方。倉庫にまとめて置くのではなく、各自のデスクやキャビネットに少しずつ分けて備える方法です。発災時に配って回る手間もなくなります。

それともうひとつ、広島ならではの豆知識を。実は広島県内には湧水スポットが結構あります。もちろん備蓄の代わりにはなりませんが、会社や自宅の近くの湧水を知っておく——これも防災の知恵のひとつです。ただし、湧水は場所によって飲用に適さないものもあります。飲めるかどうかは、現地の表示や自治体の水質検査情報を必ず確認してください。

買いがちだけど後回しでいいもの、忘れがちだけど大事なもの

備蓄というと非常食のイメージが強いのですが、凝った非常食セットを揃える前に、トイレ・水・照明(ランタン・ヘッドライト)・情報手段(手回しラジオ・モバイルバッテリー)を優先してください。停電した夜のオフィスは、想像以上に真っ暗です。

賞味期限の管理、Excelでやってませんか?

備蓄でいちばん挫折しやすいのが、期限管理です。「気づいたら保存水が全部期限切れだった」——これ、あるあるです。

そこでおすすめしたいのが、オフィス用品通販「スマートオフィス」の会員なら無料で使える防災備蓄品管理ツール「サクッとkeep」です。(「サクッとkeep」の詳細はこちらをクリック)何をいくつ備蓄していて、期限がいつ切れるのかを一元管理できる、非常によくできたシステムです。自社のExcelで頑張って管理している会社さんには、ぜひ一度使ってみてほしいです。
(動画もこちらから見ることができますよ)
※ 「サクッとstock」という防災備蓄品を検討する資料作りができるツールもあります。何を何日分×何人分を検討する資料作りがでできます。 「サクッとstock」の説明はこちら  (動画もこちらから見ることができます)

 

当社はスマートオフィスの取扱店ですので、「使ってみたい」という方はお気軽にご連絡ください。登録からサポートします。

広島だからこそ:土砂災害と豪雨への備え

近年の広島の災害といえば、地震よりもむしろ土砂災害と豪雨でした。

土砂災害については、正直なところ、個人や一企業で「防ぐ」対策には限界があります。大切なのは、危険が迫る前に避難すること。対策の主役はモノではなく行動です。

一方、豪雨による浸水(床上・床下浸水)には、モノでできる備えがあります。有効なのが止水板(浸水防止板)です。川の多い広島では、市街地でも郊外でも、川の氾濫リスクはゼロとは言い切れません。

そして何より、広島市のハザードマップで、自社と自宅の場所を一度確認してみてください。浸水想定区域なのか、土砂災害警戒区域なのか。自分のいる場所のリスクを知ることが、防災意識を高める第一歩です。


よくあるご質問

Q. 予算が限られています。ひとつだけ備えるなら?
A. 携帯トイレです。1人1日5回が目安。最低5〜10回分、できれば3日分を。水・食料より先にトイレ、が防災士のおすすめです。

Q. 水と食料はどのくらい必要?
A. 1人3日分が基本です(水は1日3リットル目安)。置き場所がなければ、各自のデスクに分けて備える「分散備蓄」がおすすめです。

Q. 備蓄品の期限管理が大変です。
A. スマートオフィス会員なら無料の管理ツール「サクッとkeep」がおすすめです。当社で登録からサポートできます。

Q. 広島で特に気をつける災害は?
A. 地震(最大震度6強想定)に加え、液状化によるインフラ被害、そして豪雨・土砂災害です。まずはハザードマップで自社の場所を確認しましょう。

Q. 会社と家庭、備蓄はどちらを優先すべき?
A. 両方です。オフィスは「帰れない人」のための3日分、家庭は南海トラフを見据えた1週間分以上が目安です。広島は大型物流拠点が近くに少なく、広域災害では物流が長く止まる可能性があります。


おわりに

まとめると、オフィス備蓄は「帰れない人」のための備えで、優先順位は「①携帯トイレ ②水・食料3日分(分散備蓄) ③照明・情報手段」。あわせて各家庭での1週間分の備蓄ハザードマップの確認期限管理の仕組みづくりです。

「うちの備蓄、これで足りてる?」という段階からで大丈夫です。防災士の資格を持つスタッフが、御社の規模と立地に合わせた備蓄リストのご提案から、サクッとkeepの導入サポートまでお手伝いします。お気軽にご相談ください。

次回の「わりとなんでも相談室」もお楽しみに。

参考:広島県地震被害想定調査(令和7年10月)、広島市地震防災マップ、東京商工会議所「会員企業の災害・リスク対策に関するアンケート」(2024年)


※詳細については、直接お問い合わせください

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